黄色に黒文字の看板、いつみても行列ができているラーメン屋さん。
みなさんは「ラーメン二郎」をご存じですか?
今回は二郎系ラーメンの正体やその歴史、独特のルールについて解説していきます。
まだ二郎系ラーメンを食べたことが無い方はぜひこの記事を参考に、チャレンジしてみてください。
①二郎系ラーメンとは
「二郎系ラーメン」は、「ラーメン二郎」を祖先とするラーメン店の暖簾分けおよび、それを模範とするスタイルのラーメンジャンルのひとつです。
ラーメン二郎とは直接関係のない同系統のラーメンは「二郎インスパイア系」とも呼ばれます。
小麦感の強い極太のワシワシ麺に、豚骨醤油ベースのスープ、茹でたキャベツとモヤシを山盛りにトッピング、そこにニンニクや背あぶら、からめ(醤油ダレの追加)などの追加トッピングを選ぶことができるのが二郎系の特徴です。
ラーメン二郎の系列店でも少しずつ味が違ったり、店舗限定のオリジナルメニューやトッピングもあり、複数の店舗をめぐる楽しみもあります。
その日の仕込みやロットの違いでも味に差がでるため、それを楽しみにしているファンもいるほどです。
また、熱心なラーメン二郎ファンは「ジロリアン」と呼ばれています。
②二郎系ラーメンの歴史
ラーメン二郎は1968年に東京都目黒区で創業しました。
幾度かの移転を経て、桜田通り沿いの現在の店舗がラーメン二郎三田本店です。
店主の山田拓美氏はジロリアンから総帥の名で親しまれています。
もともとは和食の料理人でラーメンの知識は無かった山田氏でしたが、これまでに無い独自の味とラーメンのボリュームが話題となり、さらに山田氏の人柄が学生に受けたことで次第に繁盛していきました。
その後、ラーメン二郎で修行を積んだ従業員が暖簾分けする形で各地に広がっていきました。
近年ではラーメン二郎で直接修行したわけでないが、ラーメン二郎に影響を受けたラーメン店も多く出店しており、二郎系ラーメンは全国で食べることができるようになりました。
しかし、ラーメン二郎直系店と二郎インスパイアラーメンでは別の食べ物であると考えるファンも多いようです。
③ラーメン二郎のトッピングについて
ラーメン二郎や二郎インスパイアなど二郎系ラーメン店の多くでは、独自のトッピングをすることが可能です。
ラーメンの提供直前もしくはオーダー時に「ニンニク入れますか?」と店員さんから質問されます。
これは「トッピングをどうしますか」という意味になります。
このトッピングは「コール」と呼ばれ、店舗によってもトッピングに違いがありますが、大半の店舗では以下のトッピングを指定できます。
①ヤサイ→茹でたキャベツとモヤシの量を指定できます。
※何もコールしなければ通常の量の野菜がトッピングされます。
②ニンニク→刻みニンニクを入れるかどうか指定できます。
※何もコールしなければニンニクは入りません。
③カラメ→追加の醤油ダレを足します。
※何もコールしなければ醤油ダレは追加されません。
④アブラ→背脂を足します。
※何もコールしなければ背脂は追加されません。
さらにこのコールでは「少なめ」「マシ」「マシマシ」など量を指定することもできます。
店舗によってマシやマシマシの量が違うので注意が必要です。
以下はコールの例となります。
「ヤサイ少なめ ニンニク アブラ」→野菜少なめ、ニンニクを通常量で投入、アブラを追加投入。
「ニンニクマシマシ アブラマシ」→野菜通常量、ニンニクをマシマシで投入、背脂をマシマシで投入、醤油ダレの追加は無し。
「全マシ」→野菜追加、ニンニク、背脂、醤油ダレがマシで追加投入。
このコールさえ覚えていけば、店員さんに「ニンニク入れますか?」と聞かれても狼狽えることはありません。
④ラーメン二郎のルール
ラーメン二郎には暗黙のルールやお店ごとのローカルルールが存在しており、初めての方にとってはとてもハードルが高く感じられてしまうかもしれません。
列の並びと食券購入
ラーメン二郎は基本的に店の外まで並びます。
タイミングを上手く外せば並ばずに入店することも可能ですが、基本的には並ぶものと考えてください。
列の作り方は店舗によっても違いますので、もし並び方(どの方向に列を作っているのか)がわからない場合は、先に並んでる人に声をかけて聞いてみましょう。
食券については列に並ぶ前に購入するパターンと、入店後に購入するパターンと、こちらも店舗に寄りけりです。
初めての方はまわりの様子をみて判断するか、列に並んでる方に聞いてみる方が確実です。
席に座ったら食券はカウンターに置きましょう。
箸や水はセルフサービス
ラーメン二郎では水やレンゲはセルフサービスとなっています。
しかし店の通路が狭く、食事の途中で水を取りに行くことが困難な店舗もあります。
ラーメン二郎の多くの店舗では黒烏龍茶などのドリンクの持ち込みが許可されているので、脂を流してくれるようなさっぱりしたドリンクの持ち込みがおすすめです。
店舗によっては持ち込み禁止の場合もあるので、事前に調べておく必要があります。
また、レンゲが用意されてない店舗もあります。
ロットを乱さないように気を付ける
行列のできるラーメン二郎では、効率良くラーメンを提供するため、複数人分の麺を一気に茹でます。
そのため、あまりにも食べるのが遅い人がいると、茹でるタイミングにズレが発生してしまいます。
食事の目安は15分〜20分と言われており、それ以上に時間をかけてしまうと店から声掛けされる場合もあるそうです。
基本的には目安ということで厳密に計測されているわけではないので、携帯電話やゲームなどをしながらの「ながら食い」をしなければ問題ありません。
もちろんお友達同士での会話も極力控えましょう。
食べ切れるか不安な方は「麺少なめ」や「麺半分」、「野菜少なめ」で注文することをおすすめします。
食べ終わったらすぐに店を出る
ラーメン二郎では前述の通り常に行列ができているので、食事が終わった方はすぐにお店を出ます。
食べ終わったあとにゆっくりしたい気持ちはわかりますが、次のお客さんが待っているので、できるだけ早く席を空けましょう。
食べ終わった丼とコップはカウンターの上段に上げ、テーブルをクロスで拭くまでがラーメン二郎のルールとなっています。
食べきれない量を頼まない
ラーメン二郎の醍醐味は大盛やマシマシができることにありますが、食べきれない量を頼んでも残すことになりますので、食べれる量を注文しましょう。
初めての方は「小」でも十分です。
「小」でも麺の量はかなり多く、初めての方はびっくりしてしまうことでしょう。
⑤おすすめの二郎系ラーメン
ラーメン二郎 三田本店
ラーメン二郎の総本山であり、原点が「ラーメン二郎 三田本店」です。
「三田駅」「田町駅」からそれぞれ10分程度、慶応義塾大学のすぐ近くにお店があります。
乳化するかしないかのギリギリのスープとニンニクの相性は抜群です。
ラーメン二郎 仙台店
ラーメン二郎ランキングで頻繁に上位にランクインするのが「ラーメン二郎 仙台店」です。
背脂たっぷりの乳化スープに平打ち麺が絡み、一度食べ始めると止まらなくなってしまいます。
トッピングにショウガを頼むとさっぱりと食べることができます。
夏季限定でつけ麺を頼むことができ、こちらもおすすめです。
ラーメン富士丸 神谷本店
東京都北区神谷にある「ラーメン富士丸 神谷本店」は二郎インスパイアの中でもかなり評価の高いラーメン店です。
乳化スープに大量の背脂、暴力的なチャーシューに虜になること間違いなしです。
オプションメニューの「ブタかすアブラ」に麺をつけながら食べることをおすすめします。
⑥まとめ
二郎系ラーメンの歴史やコールの方法、ルールについて説明してきました。
初めての方にとってはとてもハードルが高く感じられるかもしれませんが、心配することはありません。
まずは「小」から試してみましょう。
この記事を参考にぜひ一度チャレンジしていただければ幸いです。